子育てのつどい

■子育てのつどい(園のおたよりより)

 午前の子育てのつどいでは、まず初めにベートーヴェンの「月光 ソナタ」を演奏されました。演奏後、この曲を聞かれて自然の動きや人の心の動きを思い浮かべても結構ですが、譜面は作曲家の心のメッセージです。当時、ベートーヴェンは難聴が徐々に悪化しており、この曲の中には不屈の精神をもって聴覚を失う不安を乗り切ろうとする気持ちを読み取ることができると話されました。演奏家は作曲家の心のメッセージである楽譜を頭と心で解釈し、正しく深く演奏します、聞き手もただ音を聞くだけではなく、作曲家の気持ちも読みとって頂ければと思います、と付け加えられました。園長先生とのお話しでは、現在はしつけに関する情報が過度に流れていますが、基本は親です。情報に惑わされず、自分たちのしつけのルールを決め、子ども達と向き合ってください等のお話を頂きました。
午後には全園児がホールに集まり、先生のピアノでまずはショパンの「子犬のワルツ」と「子猫のワルツ」。子犬と子猫の仕草、鳴き声等を想像してくださいねというお話の後、演奏が始まり、雰囲気の違うワルツに子ども達は興味をもって耳を傾けていました。演奏後、「子犬、子猫の姿が見えましたか、鳴き声も聞こえてきましたか」、という先生の問い掛けに、子どもから「聞こえた」という返事が返ってきました。先生からはピアノは指で弾くのではなく、頭で考え、心で感じ、思いを込めて弾くのですよ、そして聞き手も音の響きを頭で考え、想像すると共に心で感じましょうというお話もして頂きました。続いてリストの「ラ・カンパネラ」。演奏される前に、「カンパネラ」とはイタリア語で「鐘」と言います、今日は日本の鐘のように弾いてみたいと思います、というお話があり、子どもたちは静かに聞き入っていました。そして最後にショパンの「ノクターン」を演奏してくださいました。
田中先生の演奏に対するお礼として年長組が代表して「ふるさと」、「ありがとうさようなら」を歌いました。子ども達には緊張した様子も見受けられましたが、先生からは「言葉ははっきりしていて、細部まで心がこもっていました。とても素晴らしかったです」というあたたかい言葉を頂くこともできました。